会社の出口は、ひとつではありません。
廃業、親族承継、従業員承継、第三者承継、スモールM&A。
5つの道を、税務・会計の視点から並べて整理します。
どの選択肢が「正解」かは、ご自身の経営状態・ご家族・従業員によって変わります。
ここでは、判断の前段階として知っておきたい考え方を整理しました。
後継者がいない=廃業、と短絡的に結びつけてしまう経営者は少なくありません。比較軸を持つことで、第三者承継やスモールM&Aが現実的な道として見えてきます。
自社株評価、借入と個人保証、役員退職金、従業員の年齢構成。これらの組み合わせ次第で「現実的な道」は変わります。一般論で決めない方が安全です。
初回相談で売却の意思確認はしません。まず判断の材料を揃えるところまでをご一緒し、その後の進め方はゆっくり決めていただきます。
まずは全体像から。各カードの「詳しく見る」をクリックすると、
税務・会計の視点での具体的な論点へ移動します。
事業を止め、資産を換価して負債を返済し、残余を株主に分配する道。最も意思決定はシンプルですが、従業員の雇用や取引先との関係は引き継がれません。
詳しく見る子・孫など親族に株式と経営を引き継ぐ道。事業の連続性は保ちやすい一方、株式の移転に伴う贈与・相続の論点と、後継者本人の意思確認が肝になります。
詳しく見る役員や従業員に経営を引き継ぐ道。社内の文化や取引関係は維持されやすい一方、株式買取資金の調達と、現経営者の個人保証の引継ぎが課題になります。
詳しく見る外部の事業会社や投資ファンドへ事業や株式を譲渡する道。手元に資金が残りやすく、雇用も継続される可能性が高い一方、買い手探索と条件交渉に時間がかかります。
詳しく見る小規模事業の譲渡に特化した、第三者承継の一形態。中堅M&Aより準備期間が短く、地元の買い手や独立志望者も相手になり得ます。
他の4つと並ぶ「もうひとつの道」として位置づけて比較できます。
ご興味のある選択肢から開いてご覧ください。
税務・会計の視点での向き不向きを中心にまとめています。
後継者・買い手のいずれも見つけにくく、純資産がプラスで、債務超過に陥っていない会社。事業を止めても従業員の再就職に目処が立つケース。
資産の含み益に対する法人税、解散事業年度・清算事業年度の申告、役員退職金の扱い、繰越欠損金の活用、最後の残余財産分配にかかる課税。
後継候補となる親族に経営の意思があり、自社の事業内容・規模が引き継ぐに値する収益基盤を持っている会社。事業承継税制の適用余地を検討できるケース。
自社株評価(類似業種比準・純資産価額)、生前贈与・相続のスケジュール設計、事業承継税制(特例措置)の活用可否、後継者以外の親族との遺留分・公平性。
事業内容を熟知した役員・従業員がおり、引き継いだ後の経営を任せられる人材がいる会社。社内文化・取引関係を維持したいケース。
後継者側の株式買取資金の調達(金融機関融資・SPCの活用)、現経営者の個人保証の解除交渉、株式譲渡価額の妥当性、譲渡所得課税。
独自の技術・取引基盤・地域シェアを持ち、外部から見て買収価値が認められる会社。後継者がおらず、廃業よりも事業継続を選びたいケース。
株式譲渡か事業譲渡かのスキーム選定、譲渡価額の根拠(DCF・類似会社比準)、デューデリジェンス対応、譲渡所得課税、役員退職金との組み合わせ最適化。
従業員数名〜十数名規模の事業者で、中堅M&Aの仲介手数料水準では合わないケース。地域に密着した事業で、地元の買い手・独立志望者と組みやすい会社。
事業譲渡型の場合の消費税・棚卸資産評価、株式譲渡型の場合の譲渡所得課税、屋号・許認可の引継ぎ、退職金との組み合わせによる手取り最大化。
実行フェーズは、パートナーの 株式会社 滋賀県スモールM&A と連携してご支援します。
税務・会計の視点で押さえておきたい主要な論点を、9項目で並べました。
スマートフォンでは横スクロールでご覧いただけます。
| 比較項目 | 廃業・清算 | 親族承継 | 従業員承継 | 第三者承継 | スモールM&A |
|---|---|---|---|---|---|
| 従業員の雇用引き継がれるか | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 取引先との関係継続性 | × | ○ | ○ | △ | ○ |
| 手元に残るお金経営者個人の手取り | △換価額に依存 | △無償/低額譲渡が多い | ○〜△譲渡価額次第 | ○市場評価で残りやすい | ○規模相応で残る |
| 個人保証の扱い経営者保証の取り外し | 清算で解消 | 後継者が引継ぎ | 解除交渉が必要 | 解除が前提条件に | 解除交渉が必要 |
| 準備期間の目安本格検討〜実行 | 短半年〜1年 | 長3〜10年 | 中3〜7年 | 中1〜3年 | 短〜中半年〜2年 |
| 主な税務論点押さえる必要があるもの | 清算事業年度の申告/残余財産分配課税 | 自社株評価/事業承継税制/贈与・相続 | 譲渡所得/買取資金スキーム/退職金 | 譲渡スキーム選定/譲渡所得/DD対応 | 事業譲渡か株式譲渡か/消費税/退職金 |
| 社長の引退後の関与退任後の関わり方 | 完全引退 | 一定期間サポート | 一定期間サポート | 1〜3年程度サポート | 短期 or 終了時引退 |
| 株式の移転株式の取り扱い | 自己株消却・清算 | 贈与・相続 | 譲渡(買取) | 株式譲渡 or 事業譲渡 | 株式譲渡(小規模) |
| 金融機関対応借入・保証の交渉 | 残債の精算交渉 | 引継要件の交渉 | 解除交渉が必要 | 解除が前提条件 | 解除交渉が必要 |
スモールM&Aは、後継者不在の会社にとって有力な選択肢の一つです。
ただし、すべての会社に適しているわけではありません。
会社の財務状況、借入、従業員、取引先、社長の希望を整理したうえで判断する必要があります。
どの選択肢を取るにせよ、判断の前提となる会社と経営者個人の数字を可視化することが最初の一歩です。
GrowUpでは、以下の6つの観点を中心に整理します。
類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式など、複数の評価方法で自社株の理論値を試算。承継・譲渡時に税務上どの位置にいるかを把握します。
金融機関別の残高・約定弁済スケジュール、個人保証の対象範囲、経営者保証ガイドラインの活用余地を洗い出し、選択肢ごとの解除可能性を整理します。
清算課税・贈与税・相続税・譲渡所得課税。それぞれの選択肢で発生する税金を試算し、手取りベースで「どの道がいくら残るか」を比較できる状態にします。
譲渡対価と役員退職金は、課税上の扱いが大きく異なります。両者の配分を最適化することで、合法的に手取りを増やせる余地を検討します。
株式譲渡・事業譲渡・会社分割・株式交換。それぞれのスキームの違いと、自社の事情にどれが合うかを、税務・法務・実務の観点から比較します。
会社の出口だけでなく、その後の経営者ご自身の生活費・退職後の収支・資産運用まで含め、長期のお金の流れを描いたうえで、選択肢を選んでいただきます。
揃っていなくても、初回相談は可能です。
以下は「あれば、より具体的な話ができる」ものとして掲載しています。
初回相談(60分・無料)では、特別な資料は必要ありません。 現状のお気持ちと、会社の概況をお話しいただくところから始めます。
そのうえで、選択肢の具体的な比較に進む段階で、右のチェックリストの資料を順次ご用意いただきます。 ご準備が難しい資料は、当事務所で代わりに整理することも可能です。
はい。「決めるための材料を揃える」段階のご相談がもっとも多くいただいています。初回60分は無料で承りますので、決断は急がずにご相談ください。
一般的にはM&Aの方が手元に残りやすい傾向ですが、必ずしもそうとは限りません。廃業(清算)は資産の換価額に依存し、M&Aは買い手評価次第です。自社株評価と退職金との組み合わせを試算して比較することをおすすめします。
可能性はあります。決算上の赤字とは別に、独自の技術・取引基盤・地域シェア・許認可などの「事業価値」が買い手の評価対象になります。直近の損益だけで判断せず、事業全体を整理してから検討するのが安全です。
現経営者の個人保証は自動的には外れず、後継従業員への引継ぎ、もしくは金融機関との解除交渉が必要になります。経営者保証ガイドラインの活用余地もあるため、事前に金融機関と方針を整理することが重要です。
親族承継は贈与税・相続税が中心で、事業承継税制(特例措置)の活用余地があります。第三者承継は譲渡所得税が中心で、株式譲渡か事業譲渡かでスキームが分かれます。手取り額に大きな差が出るため、事前のシミュレーションが必要です。
決算書3期分・株主名簿・金融機関別の借入一覧・個人保証契約・組織図・従業員名簿があると具体的な比較に進めます。ただし初回相談は資料なしでも可能で、お話を伺ったうえで必要資料をご案内します。
はい。税理士法に基づく守秘義務を負っており、ご相談内容が社内外に漏れることはありません。事務所での対面相談・お電話・オンライン相談、いずれも対応します。
初回60分・無料。売却を決めていない段階でも相談できます。
会社の概況だけお持ちください。資料は不要です。